革の部位

部位によって革の性質が変わります

革の部位

カバンや財布などの革製品に使用されている革は、もともと、ウシ1頭分の一枚革から切り分けられ作られています。一枚の革でも個体によって、また部位によっても厚さや、きめの細かさ、シワなどが違ってくるため、革製品を作る時には、部位によって不向きなもの、加工がしやすいものにわけられます。ここでは革の部位ごとに、どんな特徴やどんな革製品に向いているのかをご紹介します。

お腹の革

動物のお腹は硬くなさそうなイメージですが、それは正解でこの部分の革は柔軟で加工もしやすいともっぱらの評判です。伸縮性もありシワや傷がつきやすいのですが、頑丈さはいまいちなので靴やベルトにはあまり向いていないとされています。ですが軽量で使えばそれだけ手に馴染んでくるので、いろいろな革製小物の材料にもなっている人気の部位です。強度を要する革製品には使いにくいかもしれませんが、アクセサリー感覚の小物になら相性も最高に良いのです。軽いし加工もたやすいのでなんにでも使うことができそうです。人間のお腹の皮も伸び縮みしますし、その部位を使用した革製品も自由に加工できるのであらゆる応用が可能になるのでしょう。また厚さも自分のお腹を触ってみた感じだと、皮の部分だけならとっても薄そうな気がしますしきっと軽いのでしょう。

脚の革

動物はお腹よりも脚の方が露出も高いので、この部位の革は厚みがあり丈夫です。二足歩行をする人間でも半ズボンの愛用者は足を何かにぶつけたり掠ったりしやすいので、お腹よりも頑丈になっているはずです。ましてや靴も履かず下着もズボンも着用しない動物の脚なら、お腹とは比較にならないくらいタフな革に育っています。特に後ろ足は地面を蹴る力が大きいですし、繊維密度も前足より高まっています。前足でもそこそこ強度はあり、これを使用している革製品は耐久力もあるので力の加わりやすい箇所には脚の革を使うのが望ましいでしょう。手提げカバンの手で掴む部分なんかはかなり長時間負荷がかかるので、強度の不足する革だとすぐに故障してしまいます。何年も安心して使いたいような製品なら脚の革を使っていると安心かもしれませんので、強度が気になる箇所はどの革なのか確認する癖をつけておくと今後お買い物で失敗する確率が下がるでしょう。

背の革

脚の革よりももっと丈夫なのが背中の革です。暑い日差しを年中受け止めていますし、時には激しい雨が降り注ぐ背中は体の中で最も頑丈な革になるでしょう。ここが貧弱だと大自然の中で生き延びることができませんし、長い年月をかけてたどり着いた答が「背中は丈夫な革にしよう」なのです。繊維密度も非常に高く、何年使用してもへたれない革製品が欲しいのなら背中の革を使っている物を選ぶべきです。革質も良いですし歪みにも強いので実用的な革製品向けの需要が高いようですが、小物には使うなというわけでもありません。キーケースや小銭入れなど頻繁に擦ったり曲げたりぶつけたりする製品なら、耐久力のありあまる背中の革を使用したほうが長く愛用することができますし、こまめに買い換えるよりもお得となりそうです。